厚生労働委員会にて・・・

 zundamoon07先生のブログ「リハ医の独白」http://d.hatena.ne.jp/zundamoon07/20100516/1274007369衆議院厚生労働委員会リハビリテーション医療の制限に関しての議事が載っています。(http://www.shugiin.go.jp/index.nsf/html/index_kaigiroku.htmに行けば議事録そのものにもアクセス可能。)
この記事の中での両者の論議そのものについて一番違和感を感じるところは、「老健施設」に関する両者の答弁。もう「言葉遊び」の域に入ってしまっていないでしょうか。老健施設は当初「中間施設」と言われ、病院と自宅の「中間」という位置づけで作られたのは事実です。しかしそれが「回復期リハビリテーション病棟と同様の趣旨の施設」などと言えるものであるのなら、けっして平成12年に回復期リハビリテーション病棟が作られるということは無かったはず。少なくとも平成12年に僕がリハビリテーション科医になったころにはすでに病院から老健施設経由で自宅に帰ることのできる人はごく一部となっていました。
 そしてここ数年、「老健施設での看取り」をおこなうということが一般的になってきています。つまり、「老健施設」すでに「中間」ではなく、「終の」住処という位置づけになわけで、いわゆる老健の「特養化」が起こっているわけです。実際に老健入所者と特養入所者の間に差は無くなりつつあります。こういった現実の中で回復期からの「在宅」に老健を入れないとか、特養をいれるとか、そういうことそのものに意味がどれだけあるのでしょうか。いろんな施設がいろんな制度設計の元、作られてきた過去の歴史があるわけですが、ほとんど「本館」「新館」「別館」「新新館」とかなにがなんだかよく分からない温泉旅館の増築みたいな状況の現在の医療福祉制度をどう組み立てなおしていくのか、政党同士の「政略」とかではなく、本質に基づいて作り直して欲しい気がします。