国会でのリハビリに関する論議・答弁

社民党阿部知子議員の厚生労働委員会での質問とその答弁がネットに上がっていました。「第174回国会 厚生労働委員会 第16号(平成22年4月9日(金曜日)) 抜粋」http://www.abetomoko.jp/kokkai/174/174_kousei-16.htmlより。
この中で、いわゆるリハビリ期間の制限に関するお話が出てきます。長妻さんがまだ「野党」だった頃、この期間の制限について追求していたではないか。。。といじめられています。
この時の国会答弁として、回復期リハ病棟に関して、足立政務官が、「足立政務官に伺いますが、例えば、老人保健施設に帰ることは在宅復帰とみなされるんですか。」という質問に「みなされます」と回答しておられます。あら、いつから在宅復帰と認められるようになったんでしょうねえ・・・やっぱり足立政務官や長妻大臣にとってはリハビリなんてたいした問題とは思っておられないんでしょうかねえ・・・せめてそばにいる厚労省のお役人さんが「間違っている」と教えてあげないと・・・

さらに、この質問の中で「では、温泉のあるリハビリテーション病院に移りたいといった場合はどうですか。温泉のある、これから法案の審議にかかりますでしょうが、厚生年金病院等々のリハに移りたいといった場合はどうですか。」という質問はほとんどピント外れのような気がします。今日本全国にある厚生年金病院のうち温泉地にある厚生年金病院としては、湯河原、玉造、湯布院、登別があります。これらの病院はすべてひとつ以上の回復期リハ病棟を運営している病院であり、この阿部さんが思っているような「湯治場」みたいな病院ではないわけです。彼女がこの質問の中で言っている「WHOはリハビリについて、能力が可能な限り最高の水準に達するよう訓練することと規定しております。」ということのために考えても(さらにいえば彼女の頭の中にはリハビリ=訓練)というものしか見えていないのでしょうが)、機能回復だけでなく、あらゆる面でのサポートを含めてそのすべてがリハビリであり、より人間らしい生活をその人らしく送ることができるという考え方から見ても、かつてのどこか遠くの温泉地にあるリハビリという名のついた「老人病院」に行くことは決して彼女が主張している「WHOの目指しているもの」では無いはずです。

リハをどうするのか、という根幹の部分がこういう現状認識の中で進んでいくことにちょっとした不安を感じました。