処方せん問題

処方せんを書くというのは医者の主な仕事の一つです。特に内科系の医者にとっては患者さんに対する治療のほとんどは薬によって行いますから、この「処方」というのは治療そのものであったりします。
この処方せんの書き方、これまで日本では内服薬は1日量を何回に分けて服用するか、注射薬は1回量を1日に何回行うか、というふうに記載することになっていました。どういう歴史的な流れの中でこうなったのかはわかりませんがこうなっていました。その後の何回に分けて服用するかという服用方法についてはいろいろな略号が使われます(これはローカルルールも山ほどあります)。しかし、この1日量という原則はこれまで崩れたことはなかったのですが・・・
今回、厚生労働省の決定した処方せんの書き方はなんと1日量から1回量への変更でした。アメリカなど海外と統一するのだそうです。さらに暫定的にしばらくの間はどちらの書き方もOKにするとのこと。今回の処方せん変更は事故を減らすために行われる筈なのですが、その暫定期間も決定されていないというお粗末さ。
たとえて言うなら、
アメリカでは右側通行なので、日本も明日から右側通行にします。」
「しばらくの間は右でも左でも好きな方を走っても良いです。」
というのと同じこと。
本気ですか?