退院前訪問

 リハビリテーション科医として仕事をしていて退院前訪問に行くのは、僕の一番の楽しみかもしれません。(楽しみというと語弊がある場合もあるかもしれませんが・・・)
 通常、退院前訪問にDrが行くというのは珍しいようです。(この間の広島のリハケア大会でもびっくりされました)回復期のリハビリテーションやさんとして卑しくも「在宅復帰が目標!!」なんてことをいう限り、その家がどんなところなのかを見ないで偉そうなことは言えないでしょう、というふうに思っています。(まあ中には訓練室にも来ないで診察室で電子カルテの前に座ったままの人もおられるそうですが)平成12年にリハビリ科に来たときから今年で10年目、ずっとこの訪問を続けています。
 今日も片道1時間ほどかけて患者さんのご自宅へ。自慢の庭木の松も見せてもらい、部屋の窓から見える宍道湖に感動したり、勝手に家具の配置を変更したり、担当のケアマネさんと話をしていたら去年亡くなった伯父さんの担当をしてくださっていた方だとわかったり、今日の訪問もいろんな意味で「楽しませて」もらいました。「この家に帰られるように!!」という思いを強くできたことも重要なポイントです。部屋に並ぶ本や写真、庭の花、景色、全てが患者さんが家に帰るのを待っていてくれると信じています。