患者さんを元気にしてくれたのは・・・

 僕の患者さんの所に急性期病院のDrとNrsがお見舞いに来てくれました。前の病院の主治医はちょっとだけ早くオシゴトから抜け出して、看護師さんは勤務の休みを使って。
 うちの病院に転院してきて4ヶ月ちょっと。まだまだ介護量は多くて、住宅改修とかいろいろ環境整備を必要とする状況ですが、回復期のリハ期間の期限もあるので、もうすぐ退院、不安感とかも強くて精神的にも不安定となっていました。そんな患者さんを支えるのが数少ないリハビリ科の医者の仕事だったりすると思っているのですが、なかなか上手くいかないのです。来たときは経管栄養で寝たきり、文字盤を使ってのコミュニケーション、排泄は導尿という状態でしたが、今は基本動作から移乗まで見守り、車椅子自走で、食事も自立、排泄はトイレで。という所までは到達したもののどうしても日常生活には介助は必要。本人の希望とはまだ大きなズレがあります。
 そうした中、彼等が訪ねてきてくれました。そのDrとは転院して以来初めての対面です。先生が「こんなに良くなるなんて!!」とビックリしてくださいました。脳外科医にとってもビックリするほどの回復だったのです。(正直、ここまで良くなることは転院時には誰も予想していませんでした。)その後、せっかく来られたので病院内をちょっとだけ案内してまわり、患者さんの部屋に帰ると彼女から久しぶりに前向きな言葉が聞かれました。彼等の訪問が「一番の薬」になったのです。こうやって自分の元気になる姿を喜んでくれる人がいることが一番の励みになったのでしょう。
 そして、喜んでくれた彼等を見て一番元気になったのは僕自身かも知れません。