地域医療の流れ着く先は・・・

年末最後に飛び込んできたニュース、「24時間体制の穂別診療所 医師全員が退職申し出 「コンビニ受診」で過労」http://www.hokkaido-np.co.jp/news/life/138263.php より。
この国保穂別診療所は、地域医療のモデルとして有名で、多くの学生の実習も受け入れてこられたところ。この記事の中で一番気になったのは、「医師への気配りや(医師の不満を受け止める)アンテナがなかった」という副町長さんの言葉でした。

そんな中、この穂別診療所の所長さん(元所長さんか・・・)のBlogを見つけました。
http://blog.m3.com/hokkaido/
このブログの2008年12月29日の「仕事納めに思う」を読んだ後、そのブログを遡って1年分を読破(こういう場合もそういう風に言うのか?)しましたが、2007年12月29日の「仕事納め」の中の文章(以下引用)

仕事納めの日、挨拶に訪れた副町長をつかまえて医師の労働環境についてディスカッションしてみました。結局1時間半くらい話し込みました。
まず医者は労働者という認識はありましたか?
と伺うと
「お医者さんはスーパーマンみたいなもんだから、労働者なんてことは一度も考えたことがなかったなあ」と。
正直者の副町長らしいお答えでした。
その後労働基準法のことや救急対応の危うさ、当直の大変さなどを訴えました。
「だいたい3人でほぼ365日当直をしていることについてはどう思いますか?大変だろうなとか思ったことはありますか?」の問いには何も答えがありませんでした。そんなことを考えたこともなかったということでしょうか。

この診療所の医師全員退職の1年前から必死で訴えている医師の言葉を、結局ただ流していたという事でしょう。「アンテナがなかった」と言っているその方自身が「アンテナ」でなければならなかった筈です。

このブログのコメントに書き込まれる多くの地域医療に携わっておられるDrの言葉にも耳を傾けて欲しいと思いました。