新しい介護保険の点数を眺めてみる

 一昨日からにらめっこしています(とは言ってもリハビリ関連部分のみですが)。なかでも短時間型通所リハビリの取り扱いと、訪問リハビリの20分という時間での点数への変更がどういう影響をおよぼすのか。利用者さんの選択(あるいはケアプランを作るケアマネージャーの選択)の中でどうなるのか、なんていうことも考えつつ・・・
 今回の点数を眺めていて、脳血管リハの施設基準はもっているけれど(1)ではないという施設((2)とか(3)の施設)で外来通院リハビリを行っていたというところが、送迎をしないというカタチで(要するに普通の外来のカタチで)介護保険分野に参入してくる可能性について考えています。
 通所リハビリを行う施設の不足を医療機関のリハビリを使って補おうという意図なわけですが、けっして充足しているとは言えない急性期のリハビリ供給体制に負の影響を与える可能性は否定できません。維持期のリハビリを地域の基幹病院を退院した患者さんのリハビリを外来で継続する道が開かれた訳で(その病院が申請するかどうかという問題もありますが)、その外来リハビリにマンパワーが割かれ、本当なら行われるべき急性期リハが行われなくなることを危惧しています。急性期のベッドサイドで新しい患者さんのリハビリをバイタルサインに気をつけながらやるより、ずっとリハビリをしているおなじみさんが訓練室にやってきてくれるほうが気楽だと思う人もいるでしょう。
 何かの矛盾(今回であれば、介護保険リハビリ供給体制の不備を修正せずに維持期を介護保険に強制的に移行しようとしたためにいわゆる「リハビリ難民」を発生させてしまった)をごまかそうと制度をいじると、別なところにまた矛盾が発生してしまうということが最近の医療福祉行政のパターンなのですが、今回どうなるでしょうか?