このところ、阪南市立病院がワイドショーでも取り上げられている

 らしい。うちの奥さんがそう言っていました。しかし残念ながら、その本質的な部分をTVのワイドショーは語っていないようで、(少なくとも素人のうちの奥さんにわかるようにはできていない)病院が赤字になるなら医師の給与も引きさげないと・・・みたいな感じで理解している(ようです。)
 病院の赤字を語るとき、常に問題となるのはその人件費率です。ほとんどの赤字医療機関は人件費率が高いのは間違いありません。しかしその人件費のうち医師の給与の占める割合はごくわずかです。なぜならば人数が少ないので。一般に公立病院の医師の給与は民間病院よりも低く抑えられていますが、赤字が大きいのは圧倒的に公立病院だったりします。阪南市立病院のニュースも「民間なみに給与を引き上げた」というものです。それも歩合であり、「休まず、遅れず、働かず」と揶揄されるお役人のような医療ではそこまで収入は増えないようにインセンティブが働かせてありました。(民間病院でもあそこまで露骨にやるところは少ないでしょう。)
 このやり方が正しいかどうかはともかくとして、この病院の医療を建て直す必要があると思うのであればやるしかないでしょう。しかし、その赤字の原因はなにか、人員削減が必要なのにしていないのではないか、それをやらない理由はなにか・・・

 マスコミはセンセーショナルにかき立て、適当に街の声を拾い、「医者は金儲けに走っている」とかいう自分らに都合の良いコメントの映像を流し、何の考察もなく、皮相的な記事を流しているだけなのは本当に悲しいことです。