療養病床削減断念のニュース

 「療養病床:削減を断念 厚労省が方針転換−−都道府県需要調査で「25万床維持必要」」http://mainichi.jp/select/seiji/news/20080524dde001010003000c.html 毎日新聞より。
社会的入院がないとは言いませんが、この人をどうやって看ていくの?という患者さんもたくさんあります。自宅で介護できるようにすることはとても良いことですが、現実にそれができないような経済政策がとられているわけです。今の若い人々を都会に吸い上げて企業を成り立たせ、田舎に残った高齢者の介護は「自助努力」。でも大半の高齢者の年金は数万円で、老人施設に入るのに必要な金額はその数倍。政府の経済諮問会議とかのメンバーにもなられているオリックスさんが作られている老人施設は一時金が1000万円ほどで、さらに毎月20万円以上だそうです。そういうところに入ることができる人がどれだけいるのでしょうか?
 医療費削減!!の旗印の下、療養病床削減が打ち出されましたが、この影響は回り回って救急医療にまで行っています。(救急病床がうまってしまって、次の救急患者を受け入れできなくなっている)物事を一元的、表面的にしか把握できていない人々による政策決定がこのような事態を招いているわけです。