大淀病院産科のはなし。とうとう、裁判だそうです。

朝日新聞の記事。奈良妊婦死亡「医師が誤診」夫が提訴http://www.asahi.com/national/update/0523/OSK200705230082.html
この頃また新聞やTVを使って医師を締め付けるようなことをやってるな、と思ったらやはり裁判ですか・・・しかし、そのお母さんは医者が殺したわけでなく、脳出血でお亡くなりになったんですが・・・。本当に「真実をはっきりさせたい」というのが希望なのであれば、「裁判官」ではなく、「医者」に対して医療情報を開示して徹底的に論議しませんか?今、福島の産婦人科の裁判関連の記事をみても、ほとんど検察官と弁護士との言葉遊びというか、どちらが「もっともらしい」主張をして、どちらが「より印象的か」な論理を展開できたかを「医学的」にではなく、「法律学的」に「文系」のトップともいえる裁判官が判断しているとしか感じられません。そんな無意味な論議より、全国の脳外科医と産科医に対して今知りうる限りの医療情報を提示して検討を行う方がずっと意味があると思うのですが?もしも「今後、同じような苦しみを味わう人をなくしたい」という気持ちを今でもお持ちなら、是非ご検討下さい。とマスコミの人も伝えてくれませんかねえ。
そして、また今もZeroとかいうニュース番組を見ていると「たらい回し」とキャプションつきでニュース報道がなされていました。患者をたらい回しにするというのは、救急車に乗っていくつもの病院を回ったけど受け入れを断られた、とか、「しんどい、体中痛い」とかよくわからない自覚症状を訴える患者さんが総合診療→消化器内科→循環器科→耳鼻科→整形外科→神経内科・・・・なんてかんじで診断のつかないままにあちこちの診療科に回されるときに使うのが「日本語」として正しいと思いますが、いかがでしょう?
しかし、この症例を助けることのできる医療体制とそれにふさわしい病院というものが日本にどれだけあるのか教えてください。正直言って国立循環器病センターのDrは本当によくやったと思います。お産をさせながら、脳外科手術を行い、赤ちゃんを助けたということをどうして誰も賞賛しないのか、僕にはよくわかりません。逆に言えば、数十年にわたり、この地域の産科医療を支えてきたDrが医療を止めたことをローカルTVのインタビューで批判する発言をしていたという情報が天漢日乗さんのページhttp://iori3.cocolog-nifty.com/tenkannichijo/2007/05/58_645c.htmlにでていました。この発言にはらわたの煮えくりかえる思いをする医者は数多いはず。こういう怒りをぶつける場所であったm3.comの掲示板は未だに閉鎖されたままです。