脳梗塞の新しい治療法

先日、NHKのニュースをみているとt-PAの話題をしていました。発症3時間以内の脳梗塞の患者さんのみに投与可能な薬剤で、これまでに数人の投与患者さんをリハビリで見させていただきましたが、効いた患者さんは確かに劇的に効きます。ただし、この3時間というのがくせ者で、病院までやってくるのにかかる時間(発症してもすぐにやってこない人はたくさんいるので)、来られてから救急担当医が診察し、CTを撮り、脳出血でないことを確認し、専門の脳神経内科専門医にコンサルト、緊急MRI検査を実施して脳梗塞範囲を確認、その間に血圧や病歴などを確認するという作業を行わなければいけません。これまで勤務したことのある病院は大学病院から100床ほどの小さな病院までいろいろありますが、上に書いた事を24時間行うことが出来る可能性がある病院は今勤務している病院のみといって良いでしょう。大学病院には救急患者はめったに来ませんでしたが、予約をして1週間以上待たないとMRIは撮影できなかったですし、夜中にはCT、MRIとも撮影不能でした。(なんとかして同級生の放射線科医を捕まえない限り不可能でした)今の病院の前に勤めていた病院では、夜中に脳神経専門医を呼んでも始発電車が動くまでは来られないので、やはり治療不可能でした(ちなみに脳外科の緊急手術も難しかったなあ・・・)。そういう意味でこの治療を受けられて、良くなった患者さんはすごくラッキーだといえるでしょう。
今、3時間以内に必要な検査を終えて、的確な診断をして、安全にt-PA投与のできる病院はどこなのか、その情報を救急隊が知ろうとしたら教えてもらえなかった(その病院に患者さんが集中する可能性があるので)という嘘か本当かわからないような話もあった気がしたので検索したらありました。「脳卒中の救急搬送に壁 都は病院情報を東京消防庁に伝えず」http://www.asahi.com/health/news/TKY200612040327.htmlこういう頭の悪い公務員は辞めてしまえ!!!と思う今日この頃でした。あー悲し・・・